50年間の値上がり実データ
knightfrank社の10年で200%上昇は、本当なのか? もっと長期でみたらどうなのか?を調べてみることにしました。金貨・銀貨、通常流通コイン・記念コインの過去の取引実績をピックアップし、地金や実質物価との比較やドル・円・ポンドによる影響など様々な角度から調べることにします。
1972年から2019年までの5つのコインと地金のドル取引価格です。
これをグラフ化してみます。
1972年を基準として48年間で、地金(金の延べ棒)は17倍、コインは24倍-100倍になっています。
茶色のChaelwsⅡ5Pounds ・おうど色の5Pounds 1937 GeorgeⅥは、当時一般に流通していた金貨です。対して黄色のVictoria Una&Lion 1839は、発行枚数400枚の限定商品でした。プレミアム(希少性)の高いコインほど上昇率が高い傾向にあります。また、金も銀も上昇率は、ほぼ同じでした。
上昇率を狙うのであれば、よりプレミアム(希少性)の高い物を購入されることがよいでしょう。たとえ、予算との兼ね合いでプレミアム度が低くても、金よりも優れたパフォーマンスで24倍にもなっています。あなたの好みのものを手にすることが、一番大事だと思います。
ここで『100倍って、よほど特殊なものだったのでは?』との疑問がでてきます。しかし、複利を知れば、そうアンビリバボーなことでもなさそうです。
複利計算
さきほどのグラフから、各商品を年利にすると地金は6%、コインは7%-10%だったことがわかります。年利7%なんて大したことなさそうですよね。これが、複利マジックなんです。複利では、わずか数%でも長い目で見ると大きな差になります。コインは保有時に税金も維持費も一切かからないことで、複利では優位に働きます。長期資産として有史以来優れたパフォーマンスを上げているのは、こうした事によるのではないでしょうか?
日本円で見る
日本で見てみると、地金は6.2倍・コインは9倍-37倍です。年利では、地金4%・コイン5-8%になります。この期間の日本の実質物価は赤線になり、政府統計によると約3倍、年利にすると2%です。コインは、インフレヘッジに強いといわれてきましたが、世界で奇跡と言われたあの高度成長期の時期を含みながら、その実質物価高のレベルを軽く超えていることがわかります。
ポンド(イギリス通貨)で見るワケ
最後に、ポンドで見てみましょう。というのも、日本円は今後ポンドのような道を辿ると言われているからです。
上昇率は、地金33倍・コイン47-200倍、年利地金8%弱・コイン8%強-11%強でした。。これは、あなたが現金を持っていた場合とコインを持っていた場合では、50年後には50-200倍の差が生じる可能性があることを意味します。